雨の日曜日のような

容姿のせい

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なんでも容姿のせいにしてはいけないよ。

つらい出来事がある度に容姿のせいにしていたら、原因が容姿にあると思ってしまうようなつらい出来事をどんどん引き寄せてしまうんだよ。

さあ、悪循環を断ち切ろう。

 

そう自分に言い聞かせてみても、幼い頃からの思考の癖はなかなか直すことができません。

 

小学生の時。

初めて買ってもらったイヤリングを付けて、休みの日の学校で友人たちと遊びました。

実はその日、「あの子、顔かわいくないのに付けとるイヤリングはかわいいな」と私を見かけた上級生たちが噂していたそうです。

噂は学年を越えて私の耳にも届きました。

私はかなりひどい天然パーマで、不良たちに「鳥の巣が来た」とからかわれていました。

かわいそうに思ったのか、両親が美容院で縮毛矯正をあてさせてくれたのですが、逆にもっと不良たちにからかわれました。

「なんか髪真っ直ぐになっとるし」「そんなに鳥の巣が嫌やったんやな」みたいなことを大笑いしながら言われとても悔しかったのを覚えています。

3~4年生の頃はクラスの女子に無視されたり仲間外れにされたり、色々なことがありましたが、5~6年生になった頃にはわりと平和に過ごせたと思います。

悪い思い出が多いけど、良い思い出もある小学生時代でした。

 

中学生の時。

男子はすでに容姿の優劣で女子への接し方を変えていました。

期末テストの順位や運動神経、所属している部活動などの成績や出来不出来で、残酷かつ暗黙に決まるスクールカーストが、私の通っていた中学校にもありました。

しかし、それらの条件を満たすことができていなかったとしても、顔がかわいければクラスの人気者でした。

そのくらい容姿が個人の評価に与える影響は、その頃の少年少女たちには大きかったのだと思います。

私はというと、テストの順位は3年間平均すると約300人中200~250位くらいで運動も全くできず所属していた吹奏楽部にはかわいい女子ばかりだったため悪目立ち状態で、スクールカースト戦争で争うための武器など何も持っていませんでした。

1年生の時、校門で友人を待っていたら近くにいた3年生の女子に「近くにいないでほしいんだけど。気持ち悪い顔してさあ」と言われました。

2年生の時、かわいい女子と並んで歩いていると、うしろの男子たちが「よく一緒に歩けるよな」と私を見てニヤニヤしていたことがありました。

同じく2年生の時、いじめられている男子が罰ゲームで私に告白の真似事をさせられるということが何度かあり、教室の隅でこちらをニヤニヤ見ているスクールカースト上位でいじめの主犯である男子たちをにらみつけるのが精一杯でした。

登校拒否で休みまくり、学校に来ても早退しまくり。

クラスの女子たちが「うわ、また早退しよるし」「なんですぐ帰るん」とヒソヒソ声で話しているのが聞こえたこともありました。

あの頃の私には、休みながらではないと通うことができなかったのです。

両親も先生もあきれていました。

つらく苦しい中学生時代でした。

 

高校生の時。

Aちゃんという友人ができました。

お互いに親友と思えるくらい仲良しになり、休みの日にはよく2人で映画を見に行きました。

ある日、Aちゃんが私と同じ髪型にしたことをきっかけに、「Aちゃんとこはしは顔がそっくりだね。双子みたい」と言われることが増えていきました。

話したことのない女子にも声をかけてもらえて最初のうちは嬉しかったのですが、よくよく考えてみると声をかけられているのはほぼAちゃんだけでした。

私がトイレから出ると、ある女子がこちらをじーっと見ているので不思議に思ってそちらを見ると目をそらされ、Aちゃんが出てきたら「Aちゃんおはよう。今日もかわいいね」と声をかけていたり。

クラスの女子が「Aちゃんとこはしさんって子似てるよね。Aちゃんかわいいよね」と言っているのが聞こえたり。

そんなことが続いたある日、私の友人2人が小声で「Aちゃんとこはしは似てるけどさあ、こはしをかわいくしたバージョンがAちゃんって感じやんな」「Aちゃんはかわいいけどこはしはなあ」と笑いながら話しているのが聞こえてきました。

なんとなく分かっていたのに、傷付いてしまいました。

別の友人には面と向かって「2人似とるなあ、Aちゃんかわいいけどこはしはかわいくないな」と言われたこともありました。

その時、隣にいたAちゃんが「そんなことない、私のことかわいいと思う人なんていないよ」と今思うと謎のフォローをしてくれましたが、もちろん友人たちはAちゃんをフォローし始めたので私はポカーンとするだけでした。

そういえば1年生の時、美術の授業中に近くの席の男子たちが「ブスってさあ、なんで生きとるんやろ。俺ずっと疑問なんやって。だって生きとる価値ないやん」と言っているのが聞こえてきたので、心の中でそれでも生きる!!!と叫んだことがありました。

あと下校中に自転車ですれ違った他校の男子に顔に向かってゴミを投げられたこともありました。

フライドポテトの食べ終わった袋でした。

その頃お付き合いをしていた男の子が他校にいたのですが、他に好きな人ができたと言われ、理由をきくと「その子の顔があまりに綺麗で、綺麗だなって思っていたらいつの間にか好きになってた」と言われました。

「でも個人的にはこはしの顔の方が良いとは思うから」とフォローしてくれましたが、なら私はどうすればよかったのだろうと余計に悲しくなりました。

彼が好きになったその綺麗な子というのが中学生時代に吹奏楽部で同じ目標に向かってともに努力した思い出のある友人だったことが余計に私を苦しめました。

スクールカウンセラーの先生に相談すると、「高校生の男の子って、アクセサリー感覚で女の子を選ぶのよ。だから顔が綺麗な女の子の方が今は良く思えちゃうのよ。大人になれば同じ土俵に立てるから大丈夫よ」と励まされました。

せっかく励まして下さったのにとてつもなく落ち込んだことを覚えています。

その後も彼とは数年間お付き合いをさせていただいたので、高校生時代はほとんど彼との仲で悩んでばかりいた気がします。

 

社会人になってから。

最初に働いた職場で、同僚が着替え終わるのをひとりで待っていたら、男性社員たちが私の前を通り過ぎたので挨拶すると、若干驚いた様子でした。

そのあと小声で「ビックリした。座敷童でもおるんかと思ったわ」と笑っていました。

飲み会では女性の先輩が「こはしさんってかわいいよなあ、そう思うやろ」と男性社員たちをなぜか突然激しく質問攻めにし、それまで酔って盛り上がっていた男性社員たちは急に静まり返りました。

先輩は「えーなんでなんでなんで黙るん」と嬉しそうに盛り上がっていました。

次の職場では、上司がかなりの女好きだったので、若くて派手な社員さんは特別待遇を受けていました。

ここには書くことができないようなこともたくさんしていました。

ある日、上司が夜の街を歩いていたところ、バニーガールの女の子が客寄せをしていたらしく、近付いてみたところ好みの顔ではなかったそうです。

さらに上司の苦手な眼鏡をかけた女の子だったそうなのですが、お尻が魅力的だったのでお店に入ったそうです。

その女の子はまだ経験も浅く接客も不慣れな様子だったため、イライラした上司がせめて触らせろと胸に手を伸ばしたところ、女の子が悲鳴をあげて男性店員を呼び、上司は店を追い出されたんだそうです。

「ろくに接客もできないような女は夜の仕事をするな。男の気持ちを良くするのが仕事なんだから、少しくらい触らせろ。ブスでも我慢して触ろうとしてやってんのに何がキャーだよ」とのことでした。

最後に大声で、「ブスで眼鏡の女は男の前に出てくるな」と言いました。

その話を聞いているときに上司と奥さんがニヤニヤしていることに気付きました。

あ、社内で眼鏡なの私だけだ。

奥さんがこちらをチラチラ見てくる。

そういえば社内でセクハラ被害に遭っていないのも私だけだ。

その後、半年以内に辞めました。

本当に、これが些細な出来事だと思えるくらいにこの会社では他にも色々なことがありました。

 

ここに書いたこと以外にも、たくさんつらい出来事がありました。

きっとこれからも、つらい出来事は絶対にあると思います。

過去の自分には、大人になっても私はなんの武器ももつことができていないし、同じ土俵にすら立てていません、ごめんなさいと謝りたい気持ちです。

 

潜在意識で容姿が変わる可能性なんてないという意見があることは知っています。

でも、私はその可能性を信じないと生きてこられませんでした。

だから、これからも信じていたいと思います。

信じられなくなるまでは絶対に。

 

ちなみにAちゃんとは今でも仲良くしてもらっています。

また、何度か男子を悪く言う場面があったと思いますが、決してすべての男性が嫌な人だとは思っていません。

優しくて面白くて頼もしくて頭が良くて素敵な男性をたくさん見てきました。

こんな人間になりたいと思ってしまうような男性は学校にも会社にも必ずいらっしゃいました。

ただ、中学生になってから男子とどうしゃべったらいいのか分からなくなり、社会人になってからもほとんどコミュニケーションをとれなくなってしまいました。

いつか自分に自信がもてたら、男女問わずたくさんの方たちとコミュニケーションをとれるように頑張りたいと思います。

この記事で過去の容姿に関するつらい出来事を吐き出せたので、少しだけスッキリしたような、逆にトラウマがよみがえったような。

なんだか暗い内容で申し訳ありません。

でも、私が勝手に容姿が原因だったんだと思ってしまっている出来事もある気がしたので、これからは少しずつでもなんでも容姿のせいにする癖を直していけたらいいなと思っています。

 

ここまで読んでくださった方がいらっしゃいましたら、本当にありがとうございます。